外付けHDDを購入する際USB3.0対応HDD or USB2.0対応で迷いませんか?
パソコン自体ががUSB3.0へ対応していないと意味がないのですが、今後PC購入の参考になるかと思います
また内蔵HDDを外付けHDDケースに入れて使うときにSATA600かSATA300どちらを選びますか?
アクセススピードを求めず、動作可否だけでいえばどちらでもOKですが
性能はどのくらいの差があるのか気になりますよね
ここで、
今回はUSB3.0、USB2.0両方のUSBポートを持つノートパソコンを使い
東芝製SATA600/SATA300対応HDDを外付けHDDケースの中身を差し替えて
CrystalDiskMarkを使いその転送性能を比較してみました
規格の違い&理論値
SATA2.0
2004年Serial 1.0aを基にまとめられたHDD規格
物理転送速度 – 3Gb/s (375MB/s)
実効転送速度 – 2.4Gb/s (300MB/s)
SATA3.0
2008年頃登場た新しい規格
物理転送速度 – 6Gb/s (750MB/s)
実効転送速度 – 4.8Gb/s (600MB/s)
eSATA(External Serial ATA)
その後のHDD拡張規格としてeSATA(External Serial ATA)が登場
eSATAコネクタはコネクタ片面にUSB用の端子を、もう片面にeSATA用の端子を実装するコンボコネクタ
従来のUSBコネクタとも互換性があるため現在このコネクタを実装したパソコンも多い
eSATA対応外付けハードディスクもありますが、転送速度の理論値がUSB3.0と同様(6Gb/s) であることから
今回は転送速度の比較対象から外しました
「USB2.0」
2000年4月に発表された規格で、
理論上の最大データ転送速度は480Mbps(60MB/s)
「USB3.0」
2008年11月に発表された規格で、8-10ビット変換のため
理論上の最大データ転送速度は5Gbps(500MB/s)
USB3.0コネクタの外観
USB3.0のコネクターはブルーのセパレータなのでUSB2.0コネクターと区別できます
USB2.0のコネクターは黒か白が多いです
比較対象HDDについて
検証用HDDとして準備したHDDは2.5inchサイズの下記3種類
Ⅰ.東芝製 MQ02ABD100 1TB 【SATA600】(6Gbps)
Ⅱ.東芝製 MQ02ABD100H 1TB 【SATA600】(6Gbps)
*ソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHD)
- 東芝広報資料より抜粋
SSHDはPCなどのシステム側から見ると、一台のドライブとして動作するので、HDDとSSDの二台使いの場合のように、システム側でデータの記録ドライブを制御する必要はありません。また、システム内の2.5型HDDをそのまま置き換えることが可能で、既存システムのパフォーマンス向上に貢献できます。
Ⅲ.日立製 HTS545032A 320GB 【SATA300】(3Gbps)
HGST 2.5インチ HDD Travelstar Z5K500 320GB
キャッシュはいずれも32MB
SSHDのみ約 8 GB のフラッシュメモリーをキャッシュとして使用
評価用パソコンとして東芝製ノートパソコンDynabook R731 SSD搭載機を使用
内蔵SSDから起動した
OSはWindows10 Home 64bit
メモリーは4GBを実装
USBポートとHDD3種類を入れ替え交換して、HDD転送速度測定ツールの定番である
CrystalDiskInfo7_5_0を使って計測することに
以下順番に計測結果を掲載します
東芝製 SATA600 BD100
従来からあるこのS-ATA HDDを標準の基準HDDとして各測定値を見ることにします
東芝製 SATA600 BD100Hソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHD)
シーケンス順次読み出し書き込み動作は基準HDDと比べて大差ない結果に
(但し、USB3.0を使った書き込みの際は速度が1/4に落ちる)
小さいサイズ(4kB)の読み書き動作はSSHDの本領発揮!
最低でも基準HDDの2倍の速度、8キュー1スレッドでの書き込みは約8倍
HITACHI製SATA300
SATA300なかなか検討してますね
基準HDDと比べてUSB3.0ポート、シーケンシャル動作では劣りますが
USB2.0ポートの動作では読み込みは互角、書き込み時に若干劣る程度
体感速度の実測
写真jpgファイル10GBを準備して転送速度を計測
結果は
SATA600 BD100 | SATA600 BD100H | SATA300 | |
USB2.0ポート接続 | 8’43”58 | 8’39”66 | 7’47″95 |
USB3.0ポート接続 | 1’46”70 | 1’54”71 | 2’37″47 |
USB3.0ポートに接続したSATA600が最速
次にUSB3.0ポート接続のSATA300が速い
USB2.0ポート接続の場合SATA300HDDが健闘しSATA600より速いという逆転現象が起きる
これは古いUSB2.0ポートしかないPCはSATA300HDDの方が速いことを意味する
USB3.0ポート接続の方がUSB2.0に比べて約5倍速い
体感上はSATA300/SATA600の差はそれほど大きくない
その他外付けSSDという選択はあり?
今回の比較対象にはなっていませんがSSDでもデータ転送速度を計測してみました
すると予想通りの速度は他を圧倒!
10倍以上の差をつけて圧勝、ぶっちぎりで速度の点では比較するまでもなくSSDで決まりなのですが
唯一の欠点が書き込み回数に制限があり、ソフトで書き込み箇所を分散させるなど種々工夫が必要で使いにくいことと
万が一装置が壊れた場合にはその構造上データ復旧は出来ないと考えた方が良さそうです
データを保存する場合、最大容量と容量当たりの価格が外付け記憶装置として普及しない理由ですかね
まとめ
これまでで装置規格の違いにより性能(転送速度)に差があるのはわかりましたが
実際の体感で感じることはできるのかという疑問がありますよね
現状外付けHDDからプログラムを実行することはあまりなく
一番良く使われる用途としてはデータのバックアップではないでしょうか?
この時のバックアップデータとしてはオフィスファイルや写真などいろいろあると思いますが
EXCELやWORDファイルの容量は一件当たりのファイル容量が㎅オーダーと小さいので
容量を多く占めるのは何といっても写真だと考えます
そこで実際に一定容量の写真データ(jpg)をバックアップを行い転送が完了するまでの時間を測定しました
10GBのデータで試してみた所その結果は
USB2.0:19MB/s
USB3.0:94MB/s
約5倍の転送速度に差があることを計測
10GBで約8.8分と約1.8分 その差7分
この差はバックアップ容量が多いほど効いてくるので
この速度差はかなり大きいかと…
また
ソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHD)を搭載したHDDによる転送速度に差は見られず
バックアップ目的であればSSHD機能は不要との結論になりました
今後の課題として、このSSHDが機能を発揮(小さいサイズの読み書き発生)するPC起動時に効果を試してみたいと思います
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